光受容体CarHの構造解析によるビタミンB12の新規機能の解明

村木 則文
(自然科学研究機構分子科学研究所 生命錯体分子科学研究領域 特任助教)

2014年5月12日月曜日

今日のGoogleトップ画像について

今日のGoogleのトップ画像をご覧になりましたか?
あと3時間で日が変わるので、貼っておきます。
  (Googleより)

ドロシー・ホジキン博士の生誕104年記念の画像だそうですが、
なんだかわかりますでしょうか?

これはペニシリンの電子密度と分子モデルを表しています。
実物も残っているようです。
  (wikipediaより)


 分子モデルの後ろの「衝立て」に縞模様が描かれているのがわかりますでしょうか?
これは、結晶にX線を照射して得られたデータから計算して得られた「電子の密度」を表示しています。
ここでは電子の密度の高さを等高線で表しています(天気図や地形図を想像してください)

等高線が高い = 電子の密度が濃い = そこには原子がいる

このように判断して空間上に原子を配置します。
原子と原子の距離や角度を見ながら、原子間を結合によってつないだものが、分子モデルになります。
ホジキン博士が活躍した結晶構造解析の黎明期では紙と鉛筆、あるいは針金や透明なプラスチックの板などを用いて、分子モデルを組んでいたようです。

現在では、電子密度の計算もモデルの構築もすべてコンピュータ上でおこなっています。

























(現在、私が解析中のタンパク質の一部を表示。黄色と赤が分子モデルで、青い網目状のものが電子密度。)


ホジキン博士は1956年にはビタミンB12の結晶構造解析にも成功しており、多くの結晶構造解析の功績から1964年にノーベル化学賞を受賞しています。(今年はノーベル賞受賞から50周年にあたります)
また、この研究を出発点として、50年以上経った今でも、数多くの研究者がビタミンB12の構造・機能解析に取り組んでいます。

結晶構造解析の研究者として、そして、ビタミンB12の研究者として、偉大なる大先輩に敬意を表します。
(軽い感じで書くつもりが随分と固くなってしまいました・・・)

1 件のコメント:

  1. 村木さん、財団の中原です。
    たいへん興味深い話ですね。それにしても、昔のというか、研究の黎明期の先生方の想像力と理論構築力はすごいものだな~と思います。洞察力、ひらめき、それを突き止めようとする意思の力、集中力、そして運とまわりの人たちの理解とサポート。。。そういったものすべてが、タイミングよく重なった時に何かが生まれるのでしょうね。。

    そうして組み上げられてきた理論とそれに反するイレキュラーな事象との間に新しい芽が生まれてくるのでしょうね。

    頑張ってください。また、コメントをお待ちしています。

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